噂の彼の甘い罠†アイドルと秘密の同棲
紅茶を入れながら考える。





あれ…

ヒロの苦手な物って、確かコーヒーだったよね。

で、紅茶は砂糖抜きのミルクティが好きで。






…ん?






リビングに目をやると、今度はあぐらをかいて、これでもかって位に、大あくびをしていた。






…やっぱり違うよねぇ。








紅茶とチーズケーキを、偽物ヒロの前に運び、お盆を置いた。

「…どーぞ」

「サンキュー。あ、そこのカバン取って」




偽ヒロは、私の後ろにあるカバンを指差す。

スーツケースに大きなカバン。

…この人、家出人?






「こっち?」

「その小さい方。そうそう」

皮のボディバッグから、彼はペンと紙切れを取り出した。






サラサラと何かを書いている。







…覗き込むと







その一番上には、

『誓約書』

と書かれていた。






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