はるひなっ!
いつしか学校のヤツらにもそんな異名が伝わり、誰も俺に近寄ろうとしない。

俺は何度か弁解しようと試みたが、話しかけようとすると相手が逃げてしまうのだ。

噂は噂を呼び、今では明らかにデマとしか言いようのない俺の伝説?を耳にする事がある。例えば……

「一人でヤのつく自由業の方々の事務所に乱入して壊滅させた」

――さすがにあの方々にケンカ売るのは……

「地下闘技場で超人達との死闘を繰り広げた」

――どこのグラップラーだよ……

「ヒト型汎用決戦兵器である」

――どういう顔をしていいか分からないの……


とまぁ、こんな具合に根も葉もむしり取ってしまったような噂が流れているのだ。

そんな訳で、すでに友達や彼女を作る事を諦めた俺は、一匹狼として日々を過ごしている。

そりゃあ俺だって、人並みな青春時代をエンジョイしたいとは思っているが、きっと無理だろうな……


「はぁ、帰ろ……」


自分で言ってて悲しくなって来た俺は、ため息を一つついて帰路についた。
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