はるひなっ!
――翌朝、俺が目を覚ましたのは朝10時過ぎ。ちなみに学校の授業開始は9時からである。
うん、遅刻どころの騒ぎじゃねぇよ。まぁいつもの事ではあるけどな。どうせ学校なんて行ってもつまんねぇし。
とは言え、流石に新学期二日目から欠席は単位に響くだろうと思い、俺はのそのそと布団から起き上がる。
ちなみに、俺は訳ありで今現在一人暮らしをしている。理由はちょっと伏せるが、このボロアパートが俺の城という訳だ。
朝飯はコンビニで買う事にしよう。そんな事を考えながら準備を済ませて、俺は家を出た。
「あら陽輝君。今日は遅いのねぇ」
家を出ると、一人の婆ちゃんがニコニコしながら声をかけてくる。
この婆ちゃんは松木ウメさんと言い、このアパートの大家さん。そして俺にとっての『恩人』であるのだ。
「ウメさん『今日は』じゃなくていつもだよ」
俺が苦笑しながらそう言うと、ウメさんが「それもそうね」と笑う。
ウメさんと別れ、俺は再び学校へと向かった。