はるひなっ!
俺は訳が分からずに、その場に座り込みっぱなしになっていると、その美少女がたった一言


「――邪魔」


冷たい口調と目線で言い残すと、早々にその場を立ち去った。

彼女が目の前から立ち去った後、俺は不意に我に帰る。


「何だよアイツ……顔は可愛いのに性格最悪じゃねぇか……」


尻に付いた砂を手で払いながら、俺は一人そう呟いた。

まぁ同じ学校と言っても同じクラスにはいなかったと思うし、きっともう会うこともないだろうからどうでもいい。

人を見た目で判断してはいけないと言う事を、俺は教訓にしようと思う。

















俺が通うこの高校は「美咲高校」といい、ごくごく一般的な公立高校である。

進学校と言う訳でもなければ、特別部活動が強い訳でもない。生徒も一部を除けばごくごく普通の生徒ばかりだ。

その中でこんな金髪の俺がどれだけ浮くかなんて事は想像に難くない。

俺は三時間目の授業が終わっているのを確認すると、教室の扉を静かに開けた。
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