溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「あ、透子さん、あの家知ってますか?」
「え?何?」
ぼんやりとしていた私にかけられた昴の声に、ふっと周りをみた。
「寄棟のあの家です。
庭にぶらんこがある…」
昴の視線の先には、庭にぶらんこが揺れて、小さな庭だけど色とりどりの花が綺麗に咲いている家。
外壁のチョコレート色がなんだか可愛い。
「知ってるって何を?」
昴の問いがよくわからない。
それほど大きな家でもないし新しい訳でもなさそうだし。
ただ、単純な造りの家だけど…どこか優しい雰囲気のある…私の好きな家。
「あの家、小山内竜臣の初期の設計なんですよ」
「…えっ」
「知ってますよね。有名だし。…相模さんには及ばなくてもデザインコンクールの過去の大賞受賞者の中でも有名ですからね」
相変わらず、遠くに見える家を見ながら呟く昴の声が遠くに聞こえてしまうほど。
私の鼓動は激しく音をたてて…。
崩れ落ちそうな足をなんとか踏ん張って立って…。
ただひたすらそのチョコレート色の家をじっと見るしかできない。
「小山内竜臣…」
ふと漏らした私の声の様子がいつもと違うのに首を傾げた昴の動きが視界に入るけれど、私はいっぱいいっぱいの複雑な想いに包まれて。
身動きできなかった。
まるで、心臓だけが私を生かしてくれてるかのように、その鼓動の音しか聞こえないまま。
「え?何?」
ぼんやりとしていた私にかけられた昴の声に、ふっと周りをみた。
「寄棟のあの家です。
庭にぶらんこがある…」
昴の視線の先には、庭にぶらんこが揺れて、小さな庭だけど色とりどりの花が綺麗に咲いている家。
外壁のチョコレート色がなんだか可愛い。
「知ってるって何を?」
昴の問いがよくわからない。
それほど大きな家でもないし新しい訳でもなさそうだし。
ただ、単純な造りの家だけど…どこか優しい雰囲気のある…私の好きな家。
「あの家、小山内竜臣の初期の設計なんですよ」
「…えっ」
「知ってますよね。有名だし。…相模さんには及ばなくてもデザインコンクールの過去の大賞受賞者の中でも有名ですからね」
相変わらず、遠くに見える家を見ながら呟く昴の声が遠くに聞こえてしまうほど。
私の鼓動は激しく音をたてて…。
崩れ落ちそうな足をなんとか踏ん張って立って…。
ただひたすらそのチョコレート色の家をじっと見るしかできない。
「小山内竜臣…」
ふと漏らした私の声の様子がいつもと違うのに首を傾げた昴の動きが視界に入るけれど、私はいっぱいいっぱいの複雑な想いに包まれて。
身動きできなかった。
まるで、心臓だけが私を生かしてくれてるかのように、その鼓動の音しか聞こえないまま。