溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「あの…連絡があったのって、金曜日ですか?」

ふと思いついて聞いてみたけれど、きっとそうだろうと確信がある。
フランスに行く前にあらゆる準備をしていたっていう事が少しずつわかってきた。

…仕事も休んだのかな。

『宿題』にして残していったあらゆるメッセージをどう受け止めようかと。

濠がフランスに行ってすぐに感じた戸惑いは、確かにまだ感じる。
大切な事を濠に秘密にしていた後ろめたさを抱えたままだし…。

それでも、今は戸惑いよりも全て濠は把握していて私を繋ぎとめてるって実感が私を温めて自信が生まれてくる。

今目の前にいる弥恵さんと濠が連絡をとっていたのもかなりの驚きだけど、最初に感じた衝撃はおさまって。

今はもう、濠が私に関する何に対して何をしようとも…納得してしまうようになってしまった。

慣らされてしまったのかな。
秘密を全部知ったうえでそれでも私を支配しようと残された宿題を素直にこなしていく私をフランスで気にかける様子も想像するに難くない。

今はもう、濠の行動をどうにか受け入れられる余裕もある…。

…ふふっと笑った弥恵さんに視線を戻すと。

「金曜日だったわね。
有二さんだったかしら…。透子さんの…お父様」

お父様…少し言いづらそうに…それでも優しく出た言葉に驚いた。

「有二ぱぱ…って…弥恵さん有二ぱぱも知ってるんですか?」

「知ってるというか…。
濠くんと一緒に訪ねて来られたのよ。
美容師さんだけあって
センスよくて素敵な男性ね」

「…はぁ…」
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