溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
『透子に対する竜臣さんの愛情を知りながらなかなか、素直に受け入れなかった瞳も後悔してるんです…。
竜臣さんの愛情をつないで…透子の門出を一緒に祝ってやって下さい』

そんな言葉を何度も弥恵さんに語る有二ぱぱは、
血は繋がってなくても
本当の娘に与える愛情以上に強い愛情を持てるという事を弥恵さんに見せたらしい…。

多分、私や母さんが父へ複雑な想いを持ってる原因の一つに自分への遠慮も含まれてるって思っていたから…。
そして、父が私を恋しがってると母さんから聞いていたから…。

弥恵さんに会いに行ってくれた…?

弥恵さんだって、私からすれば血の繋がってない他人。
父の再婚相手だというだけの関係だけで、関わらずにいようと思えばそれも可能。

それでも。

有二ぱぱは、自分と同じく血の繋がりのない私と弥恵さんが同じ輪の中で人生を重ねていけば、私と有二ぱぱのように愛情に基づいた関係が築けると信じている。

それは濠も同じ気持ちだったらしくて。

『俺と透子が新しく始める人生に参加して下さい』

…本当。

私に内緒でなにもかも…。

私の隠し事を隠し事のままにしないで探って、私の為にどうすればいいのかをひっそりと考えてくれていた濠。

何も言わずに私を抱いて、見つめていた濠はどんな気持ちだったんだろう。

いつも私を愛して大切にしてくれて…私が濠を裏切るように…秘密ばかりを抱えていたのに、ぶれずに私の為に気持ちも時間も割いてくれていた事がわかる。

この何日かの『宿題』に振り回されながら、悩みながら、最後の答えは私を愛してるっていう濠の強い想い。

今までもそんな想いはもちろん感じていた…。

でも、目の前にある婚姻届が光って見えるのはきっと、濠から愛されてるっていう幸せを改めて確認できたから。

…指輪でも婚姻届でもない。

今目の前にそれがあるっていう…。

そうなる為に濠が砕いてくれた気持ちや時間が、私を幸せにしてくれる。
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