溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
それから打ち合わせを一つ終えて席に戻った時、昴が神妙な顔で私を待っていた。
普段は多少ふざけた印象を周囲に与えながらも実は真面目に仕事を進めている昴にしては珍しい様子が不自然…。

「どうしたの?何かまずい事でもあった?」

持っていた資料を机の上にどさり。
ふうっと息をついて、昴の返事を待ってみる。

「…透子さんって、綺麗ですよね。
あ…彩香の次にですけど」

「は?綺麗?…って私が?何突然」

真面目に冗談言ってる?
昴の口から出てきたとは思えない言葉に笑いそうになったけど、相変わらず表情を崩さない昴を見ると、次第に私の声音も真剣になっていく。

「…どうしたの?
そんな事今まで言った事なかったでしょ?

変なの」

「…今日同期のみんなで飲み会っていうか…まぁ、俺と彩香の結婚祝いみたいなのがあって…」

「うん…良かったね。
…で?それが私と何の関係があるわけ?」

「透子さんも呼べって
しつこく言われてて…
来ません?」

「…は?」

苦笑する昴の言葉を理解するのに少し苦労しながら。とりあえず席について。

「同期の飲み会でしょ?なんで?」

昴の同期は結束が固くて事ある毎に集まっては飲んだりしている。
優秀なメンバーが揃っていて、相模さんに直接指導を受けている昴をはじめ、将来会社を背負う才能の宝庫だとも。

そんな中にどうして私に声がかかるのか…わからない。

「透子さん、俺達の新人研修の担任だったでしょ?その頃から透子さんの人気はすごくて…。
男女関係なく憧れてて」

「…嘘。全然そんなの知らないし」

慌てて遮る私にくすっと笑う昴。

「本社にいなかったからですよ。営業本部にいる時から人気はありましたけど、なかなか接点もなくて何もアクションなかっただけで。
透子さん目当てでわざわざ営業本部に行く仕事作る奴も少なくなかったって…気づいてなかったでしょ?」

整った顔で、笑いをこらえた声でそう言われても、思いあたる事もないし…困るばかりで…。

「冗談だよね?」
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