溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
私の身内にまで嫉妬する濠の本心を知って、意地悪にも似た嬉しさ。
有二パパが選んだスーツにまで複雑な想いを抱えるなんて…私からすればバカバカしいほどにかわいい。

濠じゃないみたい。

予想外の、それでも幸せに思える濠の本心に触れて、もっともっと好きになる。

「私も雪美さんに嫉妬しまくりだし。
仕事中は一緒に過ごしてるし私の知らない濠を知ってるし。
一緒だね」

「…違う」

「え?」

「俺の方が苦しい。
俺以外に気持ち向けるなっていっつも思ってる」

「私だって…」

「会社も行かずに家にいろよって…いっそ閉じ込めてやろうかとも思うしな」

ははっと笑う濠。

「わかってるよ。濠が私にそういう気持ちでいるのわかってる。

でも、我慢してくれるのも知ってるから。

…ありがとうね」

ふふっと笑うと、体をずらして濠の唇に軽くキスを落とした。
瞳を合わせて無言でいると、ゆっくりと動いた濠の右手が私の前髪を梳いた。

温かい…。

「どこまで私は濠が好きなんだろうって思う…。

大好き。愛してる。

結婚してくれて…お嫁さんにしてくれてありがとう。

二人で甘い…幸せな夫婦になろうね」

小さな声でささやくと、表情は変わらずだけど、
瞳の奥の熱が一気に高まったように見えて。

「え…濠っ…」

気づくと濠の顔と天井。

ベッドに仰向けにされて濠の体に抑えられて。

どうしようもなく色気のある表情に固まってしまった。

「これ以上溺れると、俺はどうなるんだろう…」

吐息と一緒に這う濠の唇は私の体中を熱で埋めつくしていく。頭の上で縫い付けられた私の両手からも熱は浸透していくしどんどん浮いてくる世界の中には私と濠しかいないよう。

「…あ…やだ…ごう…」

ぴくんと時々跳ねる体を堪能する濠の唇に体が反応する。

いつの間にか何も身につけていないままで抱き合う私達。
体の中に感じる濠自身の動きに乱されながら。

我慢できずに喘いでしまう自分を心底幸せな女だって実感せずにはいられなかった。

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