溺愛結婚!?～7つの甘いレッスン～
人事部に寄って、週末から新しく住む部屋の鍵をもらった後、営業部に顔を出した。

相変わらずの慌ただしい空気と、部署内を走り回る人の流れに一瞬立ち止まってしまう。

設計部のまったりとした時間とは違う温度にはなかなか慣れない…。

辺りを見回すと、少し奥のデスクで何か考えている喬を見つけて。

そっと近づくと、気配を感じたのか顔を上げた。

「あれ…透子が営業くるなんて珍しいな」

社内でも人気のあるその顔を向けられて、何だか癒される。

ほんと、見るにはいい顔だな。

「…人事に用があったから、いるかなあと思って」

「そっか。…ちょっと時間あるか？
コーヒーでもおごってやるよ」

軽く笑うと、立ち上がってさっさと歩き出す喬。

きっとそう言ってくれるんだろうと、期待していた私は、そのあとを軽い足取りでついて行った。
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