溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
しばらくすると、私の気持ちも落ち着いて。
濠とおそろいのカップでコーヒーを飲みながら、
自分の中の濠の存在の大きさがあまりにも大きな事に気づいて心細くなった。
夕べ、濠の痕跡が全くない部屋で過ごす事ができなくてこの部屋に飛び込んできてしまったり、濠が用意していたお揃いのカップに泣いてしまったり。
…支えてもらってる現実の重さに目眩がしそう。
濠と離れる準備をして、実際に引っ越しまでしたのに、結局濠から離れられない自分を自覚したに過ぎない…。
はあ…っ。
テーブルに置いてある
『日曜日に開封』
と書かれた濠からの宿題に何が書かれているのか気になるけれど、昨日の内容に戸惑ったせいか、見るのが怖い…。
まるで、私の引っ越しを知っていたかのような
『宿題』
は、頭をガツンと叩かれたくらいの衝撃があった。出張に出かける時に見せた濠の表情を思い出すと、それはきっと事実に違いない。
濠は私の引っ越しを事前に知ってた。
どこから聞いたのかわからないけれど…濠は私に関わる事には絶えず神経を尖らせて注意してるから。
ふっと笑って。
そんな濠に守られてる幸せを感じて。
覚悟を決めた私はゆっくりと濠からの『宿題』を開けた。