溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「柚が、この作家の絵本が好きで。
濠に頼んだ時は
『え…絵本…?』
って困ってたけどな。
自分で買いに行くって言ってたけど…」
「あ、私は全然知らなかったんで、多分濠が買いに行ったんだと思います」
「そっか。
どんな顔で絵本売り場
うろついたんだろうな…」
にんまりと笑う健吾さんにつられて私もくすくす笑ってしまう。
健吾さんと二人きりで会うなんて初めてで、緊張感も多少あったけれど、今までにない明るい笑い声が、私の気持ちをほぐしてくれる。
コーヒーを飲む姿はどこから見ても素敵な大人の男性。周囲の女の人達のさりげない視線を集めながらも落ち着いている様子はやっぱり濠にも似ている。
大学時代から気が合ってすぐに親友になったらしい濠と健吾さん。
付き合いの長さが二人を更に近づけて似た者同士にしたのかもしれない。
ふっと軽く笑う私に、健吾さんも笑い返してくれた。
「透子ちゃん、あの日初めて会ってから変わらないね。
濠が透子ちゃんを必死で掴まえた顔も忘れられないけど、びっくりした後にゆっくりと…恥ずかしそうに笑った透子ちゃんの顔も忘れられないよ。…あぁこの女を待って濠は生きてきたって…
すぐにわかった」
「…大袈裟です。
たまたまあの日会って驚いたのは私も同じで…」
「何に対してもそれほど執着してなかった濠だったから、透子ちゃんを掴まえている切羽詰まった顔は別人だったし」
遠い昔の思い出話なのに、真っ正面から淡々と話されていると、恥ずかしいし照れるし…。
ただ黙って俯いてるだけ。
濠に頼んだ時は
『え…絵本…?』
って困ってたけどな。
自分で買いに行くって言ってたけど…」
「あ、私は全然知らなかったんで、多分濠が買いに行ったんだと思います」
「そっか。
どんな顔で絵本売り場
うろついたんだろうな…」
にんまりと笑う健吾さんにつられて私もくすくす笑ってしまう。
健吾さんと二人きりで会うなんて初めてで、緊張感も多少あったけれど、今までにない明るい笑い声が、私の気持ちをほぐしてくれる。
コーヒーを飲む姿はどこから見ても素敵な大人の男性。周囲の女の人達のさりげない視線を集めながらも落ち着いている様子はやっぱり濠にも似ている。
大学時代から気が合ってすぐに親友になったらしい濠と健吾さん。
付き合いの長さが二人を更に近づけて似た者同士にしたのかもしれない。
ふっと軽く笑う私に、健吾さんも笑い返してくれた。
「透子ちゃん、あの日初めて会ってから変わらないね。
濠が透子ちゃんを必死で掴まえた顔も忘れられないけど、びっくりした後にゆっくりと…恥ずかしそうに笑った透子ちゃんの顔も忘れられないよ。…あぁこの女を待って濠は生きてきたって…
すぐにわかった」
「…大袈裟です。
たまたまあの日会って驚いたのは私も同じで…」
「何に対してもそれほど執着してなかった濠だったから、透子ちゃんを掴まえている切羽詰まった顔は別人だったし」
遠い昔の思い出話なのに、真っ正面から淡々と話されていると、恥ずかしいし照れるし…。
ただ黙って俯いてるだけ。