溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
③
月曜日。
私を紹介してくれる相模さんの隣で緊張しながら立つ私の目の前には、
さすが我社の中枢部。
百人以上の社員が集まっていて、その殆どは設計担当。
相模さんの下、未来を嘱望されている才能ばかりの中にほうり込まれてしまった私…。
ちゃんとやっていけるのか、期待を裏切らないか…緊張感以外の感情は消えてしまった…。
「コンクールで大賞をとった事は発表されてるから、みんな知ってると思うが。
それだけにとらわれずに
彼女のこれまでの仕事を参考にして、若手も励んで欲しい。
特に、店舗の設計は見習う点は多いぞ」
そう紹介してくれる相模さんの言葉に思わず反応して、相模さんを見ると優しい…安心させてくれるように頷いて。
私に挨拶を促した。
「織田透子です。
入社以来八年を営業設計で過ごしてきました。
今回の異動は、私にとっては夢のようですが、しっかり仕事をしていきたいと思っています。
これからよろしくお願いします」
軽く頭を下げると、一斉に拍手が起こった。
そんなに若くない私の異動なんて、男性にしてみればなんの期待もないだろうけど、拍手を聞いていると少し落ち着いた。
見知った顔にも気付くと
笑顔を向けられ、ようやくホッと息を吐いて。
少しの笑顔も浮かべる事ができた。
「じゃ、織田には…昴の手がけているプロジェクトに入ってもらうから。
席も昴の隣に準備してるからいろいろ教えてやってくれ」
ふっと視界の端に何か動いた…。
見ると昴が軽く笑いながら手を振っている。