*銀狼-ギンロウ-*
「…カイさん」

「あ?」

コイツの名前なんだっけ。


「出発する前で申し訳ないんすけど、彼女さん来てますよ。あそこ」


コイツが指差した先には、倉庫の隅に紗耶香がいた。


「紗耶香…」

俺はため息をついて紗耶香の元へ行く。


「何してんだ、てめぇは」


「…」


「帰れ!危ねぇだろうが!」


俺は大声で叫ぶ。


「…アタシも行きたい」


「てめぇが行くような場所じゃねぇんだよ!死ぬ気か!」


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