*銀狼-ギンロウ-*
「…見たいの」

紗耶香が呟いた。

「…カイがいつも見てる景色」

俺はため息をついた。

「もし他の族に会ったりしたらヤツらは俺を狙ってくる。つかよ、俺の女だからって理由で狙われることもあんだよ」

「…知ってるよ。身を持って知ってる」

「じゃあ何で来るんだよ」

「カイをもっと知りたいの。アタシ少しの間カイと一緒にいたけど、実際アタシカイのこと全然知らない」

「教えてねぇからな」

俺は頭をポリポリかく。


「ったく、変な女」

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