*銀狼-ギンロウ-*

サヨナラ。

その時だった。

目の前が真っ白になった。


「カイさん!!!」
「カイ?」


大勢の俺を呼ぶ声。
車のブレーキ音。
バイクのライト。


意識を失う直前、走馬灯のように紗耶香の笑顔が溢れてきた。


うん。
ほんとは。


答えはとっくに出ていた。
ただ俺は気づかないふりをしていただけで。



もっと素直になれていたら。
セフレなんかになっていなければ。


こんな想いはしないですんだのか?



…でも、やっぱり。
セフレじゃなかったらこんな風に思うことはなかったんじゃないかとも思う。



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