*銀狼-ギンロウ-*
「うっわ~。怖っ」

「…てめ、んだと?」
カイは鬼のような形相でアタシを睨んで来た。


あ。


「アンタの目、青色だ」

「ぁあ?…ああ、変だろ。生まれつき。どっかの国の血が入ってるらしいしな」

「らしい?」

「俺は施設で育てられたから親の顔は知らねぇ。つかアンタって呼ぶな」

「じゃあ何て呼べばいいのよ」

「カイでいい」

「カイってどう書くの?」

「“海”」

「あ、じゃあおそろいだ」

「おそろい?」

「カイの瞳の色」


そうアタシが言うとカイは微かに微笑んだ。


笑った顔は、悪くなかった。


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