*銀狼-ギンロウ-*

こころ。

リナの自傷跡から目をそらす。


「…大丈夫かよ」

「うーん。もう、癖になったんだよね」

リナは何でもないことのように、頭をポリポリとかいた。

「もう麻痺してんのかも。体も心も」

リナはあぐらをかいて座った。

「私いっぱい汚いことしてきたもん。…なんてゆーのかな…」

リナは自分の腕を見つめた。

「痛みで痛みを浄化してるの。私は弱いからこんなことでしか安心出来ない」


…何故か似てると思った。
昔のサヤカに。

どうしてだろう。
昔のサヤカは知らない筈なのに―…。



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