*銀狼-ギンロウ-*
俺はハンカチを取り出してリナの腕に優しく巻いた。
「俺はお前のこと弱いとは思わないよ」
「え?」
リナは驚いた表情で俺を見る。
「だってお前はちゃんと向き合ってるじゃん。自分の弱さを認めてる」
俺はリナの頭を優しく撫でた。
「お前はただ不器用なだけだよ。んで人よりちょっと敏感なだけ」
リナのしゃくり上げる声が聞こえた。
…泣いているのだろうか。
「泣くな~」
俺はわざと笑いながら言った。
出来るだけリナが虚しくならないように。