*銀狼-ギンロウ-*
「何でっすか?」
「カイさんっ!」
「俺らの頭はアンタしかいねぇよ!」

たくさんの声が聞こえた。

「カイさんっ…」

カイの隣にいたルイも、不安げにカイを見つめる。


「俺は守りたいモノが出来たんだ」

カイはアタシの手を引っ張り、みんなの前に押し出した。


「俺、本気で紗耶香が好きなんだ」

何も曇りのない表情で、カイは言った。
アタシはカイの言葉が信じられなくて呆然とつっ立っていた。


「今まで何度もコイツを傷つけてばっかで。俺はコイツに何もまだしてやれてない」


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