*銀狼-ギンロウ-*
最後だから、リナを俺の後ろに乗せた。
紗耶香はルイの後ろに乗せた。

何故かリナはほっとけない。
“俺”は絡んだこと殆ど無い筈なのに。


「ほんとにカイは今日で最後なんだね…」

リナはかすれた声だった。

「ああ。でもいつでも会えるからなっ!時々お前らんとこに遊びに来るし」

「…うん」

リナは寂しそうに微笑んだ。


「…カイ」
「ん?」

「…カイが好き…」
「…うん」
「…“カイ”じゃないほうのカイが好きだったの」

< 195 / 223 >

この作品をシェア

pagetop