*銀狼-ギンロウ-*

孤独、闇。

二年前。
俺が【飛影】の総長になりたての頃。


俺は要に出逢った。



「ひっ…ひぃっ、止めてくださいっ…。このお金は大事な金なんです…!」

公園の真ん中で、中学生が男達に囲まれていた。

「うぜーな!やれよ、弱いくせによおっ!」

男達は中学生を殴る。
中学生の顔は既に血と涙で汚れていた。


一体どれだけ我慢したんだろうか。
そんなに大切なのか、その金。

俺にはただの紙切れにしか思えないのに。


< 202 / 223 >

この作品をシェア

pagetop