*銀狼-ギンロウ-*
「親はいないようなもん。毎晩どっちもいねーんだ。多分、お互いに恋人がいて俺らのことなんかどーでもいいんだと思う。あ、俺妹いんだ」


俺と要は毎週金曜日、その公園で会うようになっていた。
要は俺には沢山話をしてくれた、と思う。


「俺しか妹守れないし。カイさんが助けてくれたときの金、俺の少ないバイト代だったんだ」


「そーか…」
俺の声はかすれていた。

金を馬鹿にしていた自分が情けなく思えた。


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