*銀狼-ギンロウ-*


「…いいよな。あんたは。好きな女見つけて、仲間に恵まれて幸せで、こんなに慕われながら総長辞めるんだからさ」


「要…」


「…なぁ、俺とあんたは何が違うんだよ?どうして親がいないあんたの方が俺より幸せなんだよっ…!…所詮捨て子の癖に…」


要は発狂するかのように叫んだ。


「その銀髪も!入れ墨も!青い目も!あんたのその性格も!最初から憎たらしくてしょうがなかったよ!」


その時、パチンと音が鳴り響いた。


「ふざけるんじゃないわよ!」

紗耶香が要の頬を叩いた後だった。


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