*銀狼-ギンロウ-*
要はポケットに手を突っ込んだ。
俺の大事なもの全てー…?
「紗耶香逃げろっ!」
俺が叫んで駆け出したとき。
俺の目の前に血しぶきが広がった。
目の前が暗くなる。
「…リナ!」
紗耶香をとっさに庇ったのか、リナのお腹にナイフが刺さっていた。
「リナちゃん…?!」
紗耶香が青ざめてリナの体を揺すった。
「だ…大丈夫。かすり傷…」
「そんな訳ないでしょ!血が…」
「誰か!救急車!お願い!」
紗耶香は泣きながら叫ぶ。