*銀狼-ギンロウ-*



「…リナの容態は?」
「…危ないみたい。今夜が峠だって…」
紗耶香の顔色は良くない。

要がリナを刺した後。
要は体をガクガク震わせて泣きわめいた。

「なんなんだよぉっ!俺のせいじゃねぇからなあっ…。コイツが勝手に俺の目の前にいやがったんだから…」

怒りなんて湧かなかった。
要を哀れに思えた。


他人を傷つけても何も気付かないのか。



「要。行こう」
俺は要に手を差し出した。


「警察、行こう」


罪を償うんだ、要。
今度こそ俺も逃げないでお前のこと、受け止めるから。



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