*銀狼-ギンロウ-*
カイは数分後にバイクを鳴らしながらやって来た。

「紗耶香!」

アタシを見つけるとカイはアタシをすぐに抱きしめた。


…安心する。


カイはボロボロのアタシを見て、もう一度抱きしめた。


「ごめんな、紗耶香。守ってやれなくて」

「カイのせいじゃないし」


「…絶対犯人探してぶっ殺す」


カイの顔は恐ろしく冷たい顔になっていた。


そんな顔しないで。

アタシのこと大切に思ってくれてるのかもって錯覚してしまう。

いつからアタシはこんな風に思うようになった?


「絶対許さねえ」



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