*銀狼-ギンロウ-*
「紗耶香、外出てみ」


真夜中カイの電話に出る。


「…え?」


アタシは自分の部屋の窓を開ける。


「…カイ」


カイがバイクにまたがって手をひらひらと振っていた。


「集会終わった帰り。紗耶香、出てこれっか?」


「う、うん。でもアタシ化粧とか何にもしてないしジャージだし!」


「そんなのどーでもいい。夜だから見えねぇよ」


電話ごしにカイの笑い声が聞こえる。


アタシはそれを聞いて少し安心する。


「…待ってて」


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