*銀狼-ギンロウ-*
「何か用か」


来るなと言っておいた筈なのに紗耶香はまた溜まり場に現れた。


会わないほうがいいと思っていたんだ。

コイツを傷つける位なら。


もうコイツの泣く姿は見たくない。
あの日は死ぬまで思い出したくもない。


紗耶香がレイプされた時。


まだ自分を責める。
俺のせいだ。


俺に紗耶香が近付かなければ。


犯人は半殺しにしてやった。
いくら俺を好きな女どもに雇われたからと言って許せるわけがないからだ。


殺されても良かった。


いや、あの日紗耶香の代わりに殺されたほうがマシだった。


< 97 / 223 >

この作品をシェア

pagetop