白い薔薇
何、この人?
何普通に話し掛けてきてんの?
普通、話し掛けないでしょ。
どう考えたって。
白髪で、赤目の奴なんかに。
「ね、私のこと、凜て呼んで!だからさ、私も夏輝て呼ばせてよ!」
ねぇ、本当にあり得ないんですけど。
「…ご自由に」
「うわー、よかった!」
ニコニコと笑って、私の手を掴むと、ぶんぶんと振る。
……わけ、わかんない。
「でもさー、夏輝凄いよね」
何が?
「あの種香くんと普通に会話してたじゃん!」
種香ぁ?
誰だそりゃ。
首を捻ってみせると、凜は驚いて目を見開いた。
「あの種香くんを、知らないの!?」
こくん、と頷く。