白い薔薇
「ねぇ」
なんで私と一緒にいるの?
怖くないの?
気色悪くないの?
そう凜に訊きたかったけど、やめた。
私が怖かったから。
その答えを知るのが。
「どうしたの?」
「…んー、なんでもない」
やっと、話せる人がいるのに。
「ふーん、ならいいけど」
私は荷物の整理があるから、と言って凜に帰ってもらった。
ぽす…、とソファーに座る。
…うん、座り心地最高。
「……」
なんか、凄く家が懐かしい。
ああ、帰りたいな……。
「……父さん…会いたい…」
ぎゅっと携帯を握り締めた。
「……そうだ」
なんで気付かなかったんだろう。