白い薔薇
「大きなお世話だ」
ギロッと二人を睨み付ける黒瀬。
……なんか、すんげー威圧感を感じる。
「す、すいません。冗談ですよ」
いや、絶対嘘だろ、それ。
「帰る」
黒瀬はそう言うと、くるりと踵を返して俺を引っ張り歩く。
どんだけ力があるんだよ……。
「あ、また遊びにいらして下さいね!」
「待ってますよ」
兼と澪が、黒瀬に向かって手を振る。
黒瀬はそれに気付いたのか、兼と澪の方へ振り向くと、嬉しそうに笑った。
「……っ」
その顔が、めちゃくちゃ可愛くて。
なんかわかんないけど、心臓の音が早くなったのがわかる。
……顔が、熱い。
「あ。悪い」