白い薔薇


は?


「お前、ここらの奴じゃないのか?」


俺の問いに、こくんと頷く黒瀬。


通りでここを歩くわけだ。


「父さんがイタリアにいるから、日本にはあまり来ないんだ。まぁ、その父さんが日本の学校に行け、と言ったからイタリアから来た」


「じゃあお前、帰国子女なわけ?」


「まぁ、そうだな」


うわ……確かに、言われてみれば……それっぽいかもな。


……ていうか、俺、普通に人と話してる?


つい、ジッと黒瀬を見つめてしまう。


「何だよ」


「……お前、俺が怖くないわけ?」


「………は?」


何だよ、は?って。


「当たり前だろ。なんでお前を怖がらなくちゃいけない」
< 31 / 57 >

この作品をシェア

pagetop