白い薔薇
「当たり前だろ?ここは、私の特等席だ」
私の特等席は、ミヤ姉の目の前にあるカウンター。
いつもここで、ミヤ姉とあいつとで話してた。
「あら、」
と、ミヤ姉が呟く。
「あらあらあらあらぁ?」
「?何してんの、ミヤ姉」
「夏輝、誰よ、この男の子」
「は?」
…………。
…あぁ、そうだ。
そういえば、種香もいたんだっけ。
すっかり忘れてた。
「まさか、彼氏?」
「まさか。クラスメイト」
やっぱり。
なんでミヤ姉は、兼や澪と同じことを聞くんだ?
「なぁんだ。彼氏じゃないのか」
いや、残念がられても……。
「ども。種香です」