白い薔薇
「相変わらず、ブラコンなんだな」
10歳も離れているから、可愛くて可愛くて仕方ないらしい。
「そういう夏輝も、ファザコンよ」
「………うるさいなぁ」
仕方ないだろ?
私にとって、父さんは私の全てなのだから。
「口調も、相変わらずみたいで」
「もう、なおすのは無理」
「でしょうね」
つん、と私の額を突いた。
「紅茶で、いいかしら?」
私はいつも緑茶だから、きっと種香に聞いたんだろうな。
種香もそれがわかってたみたいで、頷いている。
「種香、付き合わせておいて、二人の世界に入って悪いな」
ミヤ姉が紅茶と緑茶を用意しているところを狙い、種香に謝る。