白い薔薇


でも、そんな私が、普通に生活なんかして、いいのだろうか。


手を、汚した。


例え、護衛相手を護るためでも。


人の命を奪ってしまいそうになった、この私が。


普通に生活して、いいのだろうか…?


ふと、皆が恋しくなった。


こんな時、父さんだったらなんて言ってくれるかな?


「楽しまなきゃ。せっかく、キミのお父さんがしてくれたんでしょ?」


……私は、ゆっくり頷いた。


そう、かもしれない。


最近、そのことで悩んでいたから、気分転換に思い切り、楽しんでみよう。


……もしかしたら、そういう意味も、含まれていたのかもしれない。


流石だな、父さんは…。
< 6 / 57 >

この作品をシェア

pagetop