狼に近付いた兎
「男は狼なのよ、気をつけなさい〜♪」

なんて素晴らしい歌だ。


まさしくその通りだよ。
だけどね、諸君、気をつけるなんてしないで、避ければいいんだよ。

なのに…


「いちかッ!」

「梨羽ーー!」

「遅刻するよ。」

「そっちかよ!!」

「何を心配すんのよ、今更。」

高い金を払って入学させてもらった身の自分が、辞めたいと言ってすぐにやめれる訳ない。

梨羽は、分かってる子だ。

「大丈夫だよ、同じクラスじゃなければいいんだし。
大体、教室の数が足りなくて、校舎別らしいからさ。
会わないよ。」

梨羽は、さも当然のように言う。


ホント、神様、仏様。
女の子だけのクラスに入れてください。


「あそこが、クラス分けじゃない?」

人のかたまりがあって、なにやら掲示がされてる。

「あー、そだよ。行こッ。」

「んーと、高谷、た、た、た…。あった!Bだ。」

「あたしは…、X!?」
今年の緑山学園は、A、B、C、Dまでが女子クラス、E、F、G、Hまでが男子クラスで、Xが男子混合クラス。

「あ、はは…。」
< 7 / 17 >

この作品をシェア

pagetop