キミとの恋の課外授業
「お前さ、よく綿菓子食ってたよな?口の回りベトベトにしてさ」
思い出したようにクククッと笑う省にぃ。
確かに小さい頃、綿菓子が好きでよく食べてた。
指でちぎって食べると指がベトベトになるから、そのまま、かぶりついて食べてたっけ。
「仕方ないじゃない。大好きだったんだもん」
膨れて言うと、省にぃは「これも買うか」と綿菓子を持ったままレジに向かった。
そして省にぃは、他にホットコーヒーと、あたしに「お前、これでいいだろう?」と
子供の頃、あたしがよく飲んでいたカルピスを買った。
省にぃ、覚えてたんだ。あたしが綿菓子とカルピスを好きだったこと。
なんか…嬉しいかも。
コンビニを後にして「ほれ、食う?」と綿菓子を渡してくれた省にぃ。
「うん、食べる。ありがとう」と受け取ると「おっ」とニカッと笑った。