キミとの恋の課外授業
綿菓子の袋を開けて、少しだけ綿菓子を出して顔を近づけて一口パクリと頬張ると
口の中に、甘い綿菓子の味と一緒に懐かしい思い出達が胸の中に広がった。
小さい頃、省にぃの背中を追いかけていた、あの頃。
よく省にぃに泣かされていたけど、あたしが誰かに泣かされていたら
真っ先に助けて守ってくれたのは省にぃだった。
さっき、怖いお兄さん達からあたしを守ってくれたように。
「美味い?」って聞く省にぃに「うん」って言いながら食べてると
「そっかぁ」と笑った顔が、なんか嬉しそうに見えた。
なんか…不思議。省にぃと、またこんな風に一緒に歩くなんて。
もう、会えないと思ってたのにな…。
綿菓子を食べながらそんな事を考えていた。