キミとの恋の課外授業

「そういや、お前さぁ~」


ホットコーヒーを飲みながら思い出したと話し出す省にぃ。


「なに?」


久しぶりに食べた綿菓子の、最後の一口を味わっていると



「お前、俺が引っ越した時、泣いたんだって?」


「えっ!?」


突然の予想外の省にぃの言葉に、綿菓子の味は吹っ飛び、逆に動揺で生唾ゴクリと飲み込んだ。


「な、なんでその事を!?」知ってるわけ!?


実は、ついさっきまで、あたしはその事を忘れていた。


省にぃがいなくなって、凄く寂しくて泣いた事を。



もう会えないなんて、思いたくなかった事を。




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