キミとの恋の課外授業
里沙side


さっきから、あたしの頭の中はパニック状態。


「とにかく、帰るぞ」

省にぃは、そう言うとあたしの手を握りしめて歩き出した。

「離してよ!」


振りほどこうとしたら

「うるせぇ。黙って歩け」


言い方は乱暴でムカつくけど、あたしの手を握りしめる省にぃの手は暖かくって。


そして、なにより優しかった。



家に帰ると、お母さんが「遅かったわね?」と心配してたのよと言った。


「ごめん。ちょっと、色々あって」


あたしはそれだけ言って自分の部屋に飛び込んだ。



明るい部屋の中で、省にぃの顔を見るのがなぜか恥ずかしかったから。


うぅん。逆かもしれない。


省にぃに、自分の顔を見られるのが恥ずかしかったからだ。


どうしてこんな風に思ってしまうんだろう?


省にぃにキスされたから?


だけど…イヤじゃなかったんだよね。

省にぃの…キス。




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