キミとの恋の課外授業
とにかく、残りの省にぃの教育実習が終わるまで、みんなにバレないようにしなきゃね。
「里沙ぁ~行くよう」
恵美から言われて、携帯をバックの中に入れた。
更衣室から、教室に戻る途中。
こっちに歩いてくる高村くんの姿が見えてきた。
きのうまでのあたしなら、凄く意識して“どうしよう”ってなっちゃうのに
不思議だね。きょうはなんともないや。
恵美が言っていたように、あたし…高村くんの外見に惚れていたのかもしれない。
今は、高村くんより…
「里沙ぁ、ほらっあそこ」
恵美が指差した窓の向こうには、体育教官室を後にする省にぃの姿。
高村くんより、ずっとカッコよく見えた。
省にぃが、あたしの彼氏…。
そう思うだけでトキメク胸の高鳴りを感じながら、小さくなっていく省にぃを見つめてた。