キミとの恋の課外授業
第1章
片思いの君
教室の窓から、6月の海風を感じながら
校門をくぐり登校してくる生徒達の姿を眺めていたら
「里沙ぁー!聞いたぁー!きょう、うちのクラスに教育実習生が来るんだって!」
友達の恵美が息を切らしながら教室のドアを開けて入ってきた。
「へぇ~そうなんだぁ」
校門を見たまま生返事をするあたし。
「里沙ぁー!聞いてるの?」
「聞いてるようぉ~教育実習生なんでしょう」
なんて言いながらも、あたしの視線はずっと校門を見たまま。
「里沙ぁー。あんた、また愛しの高村君が来るの待ってるの?」
恵美が呆れたように、あたしの顔を覗いてきた。
「いいじゃん。別に。放っておいてよぅ」
恵美にベェーとしたまま、視線はずっと校門に釘付けだ。