キミとの恋の課外授業
「なんのことかしらぁ~」と、とぼけた顔で紅茶を飲む母。
やっぱりワザとだ。
「あたしイヤだからね!!省にぃが家庭教師だなんて!!」
フン!とリビングから出て行こうするあたしを母が「ちょっと待ちなさい!」と呼び止めた。
「なに!?」膨れっ面で振り向くと
「そんな事言っていいのかなぁ~?里沙」
不気味な笑顔を浮かべながら意味深な言葉を吐いた手には…
「あっ!?それ…!?」
おとといゴミ箱に捨てたはずの、数学のテスト!
そこに赤ペンで大きく書かれた文字は
「なんなの?この25点の点数は!?」
最悪だ…よりによって母に見つかるとは…。
「うっ…ってか、なんでそれ持ってんの!?ゴミ箱の奥に捨てたのに!!」