キミとの恋の課外授業

「じゃあ、省ちゃん。里沙の事よろしくね。晩御飯食べて行くでしょう!」


楽しそうに話す母に


「もちろんです、おばさん。おばさんの作った料理はどれも美味しいから楽しみだなぁ」


なんて調子のいい事言って。しかもまるで王子様みたいキラキラスマイルで笑っちゃってさ。


あぁ~あ…お母さん年甲斐もなく顔、真っ赤にして照れちゃってさ。


単身赴任のお父さんが知ったら泣くよ。


「じゃあ、よろしくね」と手をヒラヒラさせて買い物に出かけた母。



お母さんは、省にぃの本性知らないからそんな呑気でいられるんだ。


省にぃは、ずる賢い悪魔みたいな奴なんだからね。


そして、あたしをからかう事が大好きな

あたしの天敵なんだ。


「ほら、行くぞドジ子。お前の為にワザワザ来てやってんだからな」


母がいなくなった途端に、本性を表しあたしの頭をポカポカと叩く省にぃ。



あぁ…母よ。あなたは省にぃに騙されている。早くその事に気づいてよぅ~。

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