キミとの恋の課外授業

「里沙…泣くなよ…」


省にぃが、そう言ったかと思うと、次の瞬間…


頭に優しいぬくもりを感じて。



顔をふと上げてみると


「泣くなよ…なっ?泣くな」


優しい瞳で笑う省にぃの笑顔。


その笑顔…なんだろう?なんか見た事がある気がする。


いつだったっけ?


「泣くな。なっ?」



遠くに聞こえる生徒達のざわつく声と木々が風に揺れる音を聴きながら


省にぃは、からかう事なんかしないで、まるで、あたしを何かから守るように

あたしの前に立つと

あたしの頭をポンポンと撫でて


涙が止まるまで、ずっと一緒にいてくれた…。





< 65 / 243 >

この作品をシェア

pagetop