キミとの恋の課外授業
「里沙ぁーあんたどこに行ってたのよ!?」
体育館にタオルを取りに行って教室に戻る途中
息を切らしながら廊下を走ってくる恵美の姿が目に入った。
「どうしたの?恵美。そんなに急いで」
「どうしたのって。どこ行ってたの?戻ってくるの遅いから、体育館まで探しに行ったんだよ。」
そっかぁ…。あたし、ずっと省にぃと一緒にいたから。
省にぃと…。一瞬。省にぃの優しい笑顔が脳裏に浮かんだ。
「どしたの?里沙。ボーっとして」
「ごめん。ちょっと…色々あって」
ったく。何かあったかちゃんと話してよと恵美は、呆れたように笑った。
「分かったよ。一緒に帰ろう」
そう言って、ちゃんと教えてよと言う恵美の腕を組んで歩きながら。
ちょっとだけ…省にぃの大きな手のぬくもりを思い出していた。