キミとの恋の課外授業
「省ちゃん!」
学校から、里沙の家へと続く街路樹を眺めながら歩いていたら
後ろから親しげに声をかけられて。
振り返ったら満面の笑顔で両手にスーパーのビニール袋を下げた
里沙のお母さんがいた。
「おばちゃん。今、帰り?」
「そうなのよ。5時からのタイムサービスに気合い入れて行ったら遅くなっちゃった」
お袋と同い年のおばちゃん。
年齢の割に若くて、ふと見せる笑顔は綺麗で可愛いくて、里沙と重なって見える。
里沙は、おばちゃん似だからな…綺麗になるかもな…って。
なに考えてんだ?俺?
頭をワシワシ掻いて「おばちゃん、持つよ」一番重たそうなスーパーのビニール袋を手に取った。