恋時雨-セツナイオモイ-
ユラリ揺られて..
やっと掴んだはずの手は..


簡単に解けて


すぐに君は消えてしまう-・・


ただ..ただ..側に居て欲しいだけなのに


離れないで――側に居て



「・・・・・・・・。」


雨の中..私は空を見上げて


涙と雨が分らなくなるぐらい


沢山泣いた


その時、初めて


“失恋”を知った


高一の夏..あの時の気持ちは


自分が壊れるかのように


喉が焼けるように熱く


自分の体ではないかのように


一時期..この世から消えて


自由になりたいと思わないときなんて


一度も無かった


何度も何度も..何度も


誰かに安らぎを求めていた


そんな時――


「椎名~?そんな暗い顔してると彼氏出来ないぞ(笑)」


斎賀 悠斗(さいが ゆうと)


同じクラスメイトで幼馴染


良く私を守ってくれた


かけがえの無い“存在”

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