Ghost lover
『ていうか。何死にかけているの!? 死ぬのは私だけで充分なんだから……』


うっすらと目を開ければ、そこには悲しんでいるんだか怒っているんだかよく分からない制服姿の由乃の姿。

もうこの姿を見る事だって出来ない。体調を悪くしてしまった僕を許してくれ。

再び目を閉じようとしたその時だった。ちゃんと鍵を閉めた筈の窓が開いて、

心地良い風が部屋に入り込んで来た。熱くなった体には丁度良い。


『寒くなったら言ってね。私にはこれ位しか出来ないけれど』


そのまま再び深い眠りに落ちて、どれ位が経っただろう。

真っ暗闇にいる事からもう夜になってしまったと言う事だけは分かった。

のろのろとベッドから起き上がり、明かりを付けてから窓を見れば閉まっている。

更にはカーテンまでも。その時、誰かが部屋へと入って来た。
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